(20)『“健康住宅”のウソ・ホント』 ~第2章 すき間が少ない現代の家こそ、パワフルな空気循環が必要~(P93~95)
当社代表取締役 杉山義博の「家づくりの想い」が1冊の本となり、2018年7月に幻冬舎より発売されました。その中身を少しずつご紹介させていただきます。(amazonからもお求めいただけます)
~第2章~
ウ ソ ②:24 時間換気システムがあれば、ぜんそく・アレルギーは防げる
ホント②:室内に汚れた空気がよどみ、ぜんそく・アレルギーを誘発
すき間が少ない現代の家こそ、パワフルな空気循環が必要
汚れた空気がこもりやすい高気密・高断熱住宅ですが、すき間だらけだった日本のかつての住宅に比べて、室内の空気を常に新鮮に保つ「計画換気」を行いやすいというメリットがあります。
家の気密性が高いほうが、給気口から新鮮な空気を取り入れて排気口から出すという働きがスムーズになるからです。
ただし従来の換気システムでは、各部屋に送り込まれる空気は6畳間だと1時間あたりせいぜい12〜15㎥程度です。この程度の風では部屋の空気をわずかに攪かく拌はんはするものの、部屋全体を換気するには不十分です。
室内の湿気や汚れた空気をすべて入れかえ、いつでも新鮮な空気を部屋のすみずみまで送り届けるには、大量の空気の流れが必要になるので、よりパワフルなシステムであることが求められます。
そのため私の会社では、換気の質にこだわり、1993年頃から全熱交換換気ユニットを使った第1種換気システムを標準採用してきました。
「熱交換換気」とは、外の新鮮な空気を取り入れる時に、「熱交換素子」という部分を通じて熱交換を行い、外気を室内の空気の温度に近づけて取り入れる方法です。外の空気は空気清浄フィルターでホコリや花粉をカットしてから熱交換され、ほどよい温度にされてからダクトを通してリビングや寝室、子ども部屋などに送られます。
2005年からは、さらなる空調の理想を求めて、各部室の隅々まで確実な換気空調ができる全館空調システムの開発を始めました。2012年には、この空調システムが今までにない新しい技術だと認められ、特許を取得しました。それが現在、全国で展開している「マッハシステム」です。
マッハシステムでは、2階のホールに面した場所などに「空調ユニット(空調室)」を設置し、そこに屋外からの空気や部屋の中を循環して戻ってきた空気を集めて浄化します。
そしてちょうどよい温度にした後に、小型の送風機を通じて各部屋に送り込みます。換気量はこれまでと同じですが、家の中の空気が常にパワフルに循環しており、その空気とともに新しい空気が混ぜ合わされて送られるため、部屋の隅々まで新鮮な空気が行きわたります。
マッハシステムは換気だけではなく、冷暖房、除湿、空気浄化、換気のすべてを行う、「24時間換気システム」を超えた「空調(空気調和)システム」です。温度と湿度を24時間コントロールしているので、結露やカビの発生を抑制し、さらにフィルターによってろ過されたクリーンな空気が各部屋に送り届けられる仕組みです。そのため、アレルギーに悩む人や赤ちゃん、子どもにも安心の空気環境をつくることに成功しました。
次章では、このマッハシステムについて詳しく説明していきます。