設計ワンポイントアドバイス ~造作家具~
「造作家具」という名称を聞いたことがあるでしょうか?
造作家具とは、家を建てる時やリフォームをする時などに内装に合わせて作られるオリジナルの造り付け家具のことです。まっさらな部屋に自分好みのインテリアを揃えていく楽しみも捨てがたいですが、横幅や高さなど、ぴったりサイズの家具を見つけるのは容易ではありません。しかし、造作家具ならそんな心配は解消されます。
メリット
①ぴったりサイズ
写真のキッチン背面収納は全てオーダーメイドです。用途や収納物のサイズに合わせて作られるので、ムダなスペースが生じません。
②こだわりのディティールやデザイン
造作家具なら、使いやすさはもちろん、素材(無垢板等)やディティールにこだわった自分だけの理想の家具を作ることができます。
③安定感
造作家具は建物にぴったりのサイズで作られています。また、壁や天井に固定されているものがほとんどです。一般の家具に比べて、地震などで転倒する危険が格段に低いと言えます。本棚や食器棚等重量があるものは造作家具にすると安全面でも安心です。
デメリット
①位置の移動が出来ない
造作家具は建物や収納物に合わせて作られており、壁や天井に固定されているものが大半なので、設置場所を変えるのは難しいと考えておいた方が良いでしょう。棚板は棚柱を用いるなど可動にしておけば、後から自由に高さを変えられます。
②模様替えが容易にできない
家具の位置を移動できないため、部屋の模様替えはある程度制約されます。そんな時は、思い切って扉を全く違うデザインのものに作り変えたり、オープン棚であれば扉を新たに設置したり、ファブリック(布地)やカーテンで目隠しを施せば、部屋の雰囲気もガラリと変わります。
③値段が高い
ご希望に合わせて家具が作られるため満足度は高くなりますが、職人の手作業となり、既製品に比べるとコストアップになってしまうことが難点です。既製品の家具と上手に組み合わせるのも良いかもしれません。