設計のワンポイントアドバイス ~階段~
2階建て住宅において、間取りを決める大きなポイントとなるのが階段です。階段の位置で間取りが決まると言っても過言ではありません。階段にはいくつか形状がありますが、今回は折り返し階段と直階段の2つをご紹介します。この2つの階段は間取りに組み込みやすく、よく使われます。
まず、折り返し階段はコンパクトにまとまるのが特徴です。螺旋階段の様に1階から小屋裏まで、無駄の無い動線ができます。また、建物の中心位置に階段を計画することで、間取りによっては廊下を少なく設計することもできます。
次に、直階段は上階から下階まで一直線に結ばれている階段で、細長いスペースが必要となります。しかし、このスペースを活かし、階段下を横使いの収納にすることで、空間を無駄無く利用できます。また、オープンなリビング階段にするなど、インテリアの一部として使われることも多いです。
このタイプにはストリップ階段もあります。ストリップ階段とは、踏み板と骨組みのみで作られている階段を言います。このタイプは蹴込板が無いので、光を通し、視界も抜けるため開放的な空間とすることができます。
ストリップ階段にも色々な種類のものがありますが、代表的な3つのデザインをご紹介します。1つ目は側桁のある階段で、踏み板を両サイドの板で支えています。また、階段廻りにも耐力壁を計画できるため、構造的な制約が生じません。
2つ目は踏み板を壁に埋め込んだデザインです。側板が無い分スッキリするため、人気があるデザインです。しかし、両側の壁に踏み板を埋め込むので、手間がかかり、耐力壁にも制約が生じます。
素材の面では、木製踏み板とスチール製の一本桁を組み合わせたオープン階段もあります。折り返し・直階段いずれのデザインにも対応でき、木造住宅にもよく採用されます。
(マルシチホーム家づくり通信「concierge 2021年 盛夏号」掲載)