設計のワンポイントアドバイス ~玄関~
玄関は「家の顔」と言われるくらい重要な場所であり、こだわりを持って計画したいところの1つです。
建売住宅は完成した状態で住まいを購入するため、自分好みのスタイルにできませんが、1からつくり上げる注文住宅だからこそできることもあります。4つの実例を挙げながら、魅力的な玄関をご紹介します。
1つ目は、玄関横に間仕切りを設け、シューズクローゼットを隣接する形です。これは人気のあるレイアウトで、プライベート空間のシューズクローゼットに家族の靴や持ち物をまとめて置くことができるので、玄関はいつも綺麗に保つことができます。
2つ目は、完全独立型の通路状の玄関で、居住空間を見られにくい形です。独立した廊下にすると閉鎖的になりやすいので、窓をいくつか付けることによって明るく、奥行があっても開放的になります。片側にまとまった収納を設ければ、壁面も有効活用することができます。
3つ目は、プライベート・パブリック分離型のレイアウトです。上り口をホール側とリビング側の2か所に分けてつくります。玄関からリビングまで土間続きになっているので、例えば自転車やサーフボードのような大きな物をメンテナンスする場所として活用できます。写真の例では、土間にカウンターを設け、道具を置いたり、腰掛けて作業したりすることができる様にしています。また、カウンターの下には下足入れも設けています。上り口が2か所あることで、家族揃ってのお出かけでも玄関が混み合わないことも良い点です。
4つ目は、玄関を応接として使用できる例で、土間に腰掛けを設け、接客ができる様になっています。家の中まで通さずに応対することができ、居住空間を見られない様に配慮しています。写真の例では、外庭が見える窓を設けたことで、開放感があり、季節を感じることで長居したくなる玄関となりました。
玄関1つでも色々な形があります。お客様を出迎える、気持ちの良い玄関は、住まいの魅せどころの1つです。
(マルシチホーム家づくり通信「concierge 2020・2021年 年末年始号」掲載)