設計のワンポイントアドバイス ~洗面空間の考え方~
新型コロナウイルスの影響により、日本だけでなく全世界がその対策に四苦八苦しています。その予防策の1つとして「手洗いの励行」が重要であるとされています。そこで今回は、洗面空間についてお話したいと思います。
「洗面」とは顔を水や湯、石鹸や洗顔料などを使って洗うことを言います。そのため、洗面台は起床後、入浴後、就寝の前に使用される方が大半だと思います。つまり、洗面の目的とは「体を綺麗に整えること」となります。間取りを計画する際に、洗面にどの程度の重きを置くかは、お施主様のライフスタイルによるところが大きいです。
ランドリールームを兼用するために、広くスペースを取りたいというケース、脱衣室を兼用し、少しでもLDKを広げたいというケースもあります。近年では、帰宅した際にすぐに手洗いが行えるようにと、玄関と隣接して洗面台を設置するケースがあります。いくつかの事例を間取りと共にご紹介します。
【脱衣室一体型の洗面】
お風呂を使用している時には、洗面台が使いづらいというデメリットはありますが、スペースを広く使えるので、オーダーの洗面台や収納等の自由度は上がります。
【脱衣室分離型の洗面】
お風呂の使用に関わらず、洗面台が常時使用可能な配置です。洗面台の巾は、お施主様の希望に合わせて計画しますので、コンパクトに抑えることも、ゆったりとしたスペースで計画することもできます。
【ランドリールーム兼用の洗面】
脱衣室と分離させ、ランドリールームと洗面台を同じスペースに設けます。洗濯物を干すために、ある程度広さは必要ですが、多機能な使い方ができます。
【玄関横の洗面】
玄関横に洗面台を設けて、帰宅してすぐに手洗いを行い、外の汚れを落としてから室内に入ります。衛生面に重きを置いたレイアウトです。
この他にも、ウォークインクローゼットと隣接させ、パウダースペースの機能も持たせるなど、様々な用途での利用を見込んでいるケースがあります。
洗面空間は、洗面・手洗い・脱衣・洗濯の各機能をご家族のライフスタイルに合わせ、どれだけベストな動線とスペースに近づけることができるかがポイントとなります。今回ご紹介したプランもそれぞれメリットとデメリットがありますが、何に重きを置くかが重要です。洗面空間のリノベーションも承っておりますので、少しだけ肩の力を抜いて話を聞かせて下さい。
(マルシチホーム家づくり通信「concierge 2020年 盛夏号」掲載)