設計のワンポイントアドバイス~勾配天井~
勾配天井とは屋根の形状を活かし、傾斜をつけた天井です。屋根裏となるスペースを室内に取り込むことができるので、空間に高さが生まれ、思い思いの趣向を凝らした空間づくりが可能となります。今回は、室内をより快適にしてくれる「勾配天井の魅力」をご紹介します。
勾配天井のある家を実際に訪れていただくと、採用の仕方による室内の雰囲気の違いに気が付きます。
【最高の開放感】
屋根形状にそった三角形の壁の高い位置まで、窓を大きく設けられるので、室内の開放感は格段に広がります。たとえ狭い部屋でも、勾配天井により面積よりも広く感じることができます。
下の写真では、勾配天井のLDKにつながるロフトを設けています。ロフトにも光が差し込み、広がりのある明るい空間となっています。
【通気性の良さ】
勾配天井と間仕切り壁を極力設けない一体的な空間では、空気が穏やかに室内を循環しますので心地良さも格別です。
下の写真では、勾配天井を寝室に採用しています。あえて構造材を現しにすることで、室内のアクセントになっています。ベッドで横たわった時に広がる空間は、解放感と同時に安らぎを感じさせてくれるでしょう。
【家族の憩いの場】
次の写真では、勾配天井を住まいの中心に取り入れました。高さのある開放的な空間とすることで、家族の心にもゆったりとしたゆとりが生まれ、和やかな雰囲気に包まれた居心地の良い空間となります。また、天井の羽目板を長手方向に張ることで、空間をより広く見せています。
写真では分かりませんが、LDKの目の前にはウッドデッキが広がり、その先は庭となっています。外との繋がりも大切にした家族の憩いの場となりました。
【立体的な空間】
最後の写真は、屋根を支える構造材を現しにした立体的なLDK空間です。屋根勾配に合わせて天井を設けることから、小屋組みなどの構造が現しとなることがあります。構造材を見せたデザインは、住まいを支える力強さを感じさせます。また、構造材である梁に照明器具を組み込むことで、器具の存在感を押さえ空間を引き立てています。
このように、勾配天井と照明を同時に計画することで、より面白い空間構成となり、デザイン性も向上します。