設計のワンポイントアドバイス ~建具~
室内建具が進化しているのをご存知ですか?ドアなんて変わりようがないじゃないか」と思われるかもしれません。しかし、デザイン性や機能性などの細かい部分は常に進化を続けています。
・ドアが閉まる直前でブレーキがかかり、ゆっくりと閉まる「ソフトクローズ機構」
・上から戸を吊ることで、床にレールが不要な「上吊り戸」
・ドアの取付け枠が6㎜と薄く、見た目スッキリ「ライン枠」
・ドア丁番の出っ張りをなくした「フラット蝶番」
このように、技術開発により可能となった新しいデザインが生まれています。もちろん、従来のドアも魅力的で良い部分もたくさんありますが、今回は新発売のドアに焦点を当ててご紹介したいと思います。(2018年8月時点)
<クラフトレーベル/パナソニック株式会社>
50~60年代のトラディショナルデザインがベースとなるドアで、自分で自由にアレンジ&カスタマイズできる、従来のドアの良さを兼ね備えています。
ノブやハンドルをドアに合わせて自由に選べるだけでなく、好きな色にドアを塗ることができるという特徴を持っています。例えば、部屋ごとのイメージに合わせてドア色を変えたり、子供室のドアを最初は可愛いパステルカラーにして、大きくなったら落ち着いた色目に変えることもできます。もちろん、ドアが汚れた時にも塗り替え可能です。住まいのイメージを変えたい時、わざわざ扉を変えなくても、自分でひと手間つけ加えるだけで雰囲気もその時その時に合ったものとなり、愛着も増していきます。
ベーシックなトラディショナルデザインがお好みの方にはおススメのシリーズです。
不要なものを削ぎ落し、必要なものは最小限に抑える「ノイズレス」化により、ハイドアがスッキリと空間に一体化するデザインが特徴です。
ハイドアがさらに空間に馴染むよう、左右の建具枠は糸の様に細く、上枠はなくし、引戸の場合にはレールを天井埋込みとすることで、天井面がスッキリとつながり、より綺麗で開放的な空間が演出できます。
従来は木目調のドアが主流であり、ナチュラルテイストの空間が一般的でした。もちろん、「木」のもつ素材感はインテリアの重要な要素の一つですが、このドアにより従来にはないコーディネイトが楽しめます。例えば、白い壁の場合には白色か木目調のドアで合わることが一般的ですが、このドアであれば、空間に合わせて壁面と一体化させたり、インテリアのアクセントにすることも可能です。ブラックやグレーの建具を用いれば、今までにはない洗練された空間となり、モダニズム建築(近代建築)にもよく調和します。
今回は2つの新商品をご紹介させていただきました。ご新築いただいたばかりの方からは「ドアを変えるなんて全く考えられない!」という声が聞こえてきそうですが、部分的なリフォームでのドアの取替えも可能です。リフォームのきっかけがなかったり、部分的なリフォームだから声が掛けにくいなと思われる方もいらっしゃると思いますが、どうぞお気軽にご相談下さい。