災害に備える ~日本という国が抱える災害リスク~
日本は自然災害リスクが世界でも高いグループに入り、先進国の中では一番高いという事実をご存知でしょうか。
国連大学が毎年公表している「世界リスクレポート」では、地震・台風・洪水・干ばつ・海面上昇などの自然災害に対する各国のリスクを数値化したリスクインデックスを用いて、各国のリスクを相対的に比較できるようにしています。このリスクインデックスでは、基本的には自然災害に対する遭遇(暴露)の度合いと災害に対する社会の脆弱性を数値化して、両者の掛け算で定義されています。
2014年版のレポートによると、日本は自然災害に対する暴露の度合いが非常に高く、171か国中4番目に位置しています。一方、社会の脆弱性については非常に小さいグループに入っており、社会構造だけについて見れば、日本は相対的には強靭なものを築いていると言っても良いかもしれません。しかし、暴露と脆弱性の掛け算としてのリスクインデックスは世界17番目と、リスクの高いグループに位置しており、先進国の中では最も高い値になっています。
▲各国の自然災害リスクの比較( 国連大学「世界リスクレポート2014 年版」より)
これと同様に、スイスの再保険会社スイス・リーが2013年にまとめた「自然災害リスクの高い都市ランキング」では、地震活動が活発な地域に位置していることや、津波の危険性が高いことなどから東京・横浜が世界1位とされ、名古屋は6番目となっています。
これらの結果から、日本がいかに災害リスクの高い国であるかが分かります。
(マルシチホーム家づくり通信「concierge 2020年 春号」掲載)