「マルシチの家」の良さを最大限活かす~窓の工夫~
心地よく暮らすために、一番気を付けなくてはいけないのは「窓」。
住まいで外部に接する部位には大きく分けて屋根・外壁・窓・玄関・床(基礎)がありますが、熱損失の割合はそれぞれの部位の表面積とその熱の伝わりやすさで決まります。中でも、窓や玄関扉のような開口部は全面積の25%ほどしかない場合においても、熱損失の量は壁面の約2.5倍と言われており、窓の断熱化は住宅の省エネ度を高めると共に、光熱費の節減と住み心地に大きく影響を及ぼします。そのため、丸七ホームでは熱伝導率の高いアルミサッシの使用を20年以上前から禁止しており、熱を伝えにくい樹脂サッシでペアガラス以上のガラスを使用した家づくりを行っています。
しかし一方で、太陽の日射熱を採り入れられるのも窓ならではの特長で、日射熱をいかにコントロールし上手に利用しようとする考え方が重視されています。つまり、冬場においては南面に十分な窓面積を確保して暖房の負荷を抑え、夏場はいかに熱をシャットアウトするかを考えなくてはいけません。
【夏の対策】
心地よく暮らすためのポイントになるのが、厳しい西日を受ける西面の日射遮蔽です。通風などを目的に西面に大きな開口部をレイアウトするのは省エネ性と快適性の観点からはNGです。遮熱ガラスを使った最小限の窓のみを設けて、不必要な熱が住まいに侵入することを防ぎます。
また、熱を室内に入れないためには住まいの外側での対策が肝心です。昔ながらの簾やよしずはその代表格であり、古くから日本に伝わる知恵と言えます。しかし、遮蔽力と操作性を考えると、ブラインドシャッターが優れています。電動タイプを選べば窓を閉めたままブラインドを開閉することができ、冷房時でも室内の冷気を逃すことなく、適度な日射しを取り込むことができます。
<図>左から外付けブラインドの場合→内付けブラインドの場合→ブラインドがない場合(図の出典:YKK AP株式会社)
【冬の対策】
冬は、夏と逆に窓の外側ではなく、内側から熱が逃げていくのを遮る工夫が有効です。窓から熱を逃さないためには、ガラスとサッシ(枠)をそれぞれ断熱性の高いものとしなくてはいけません。
一般的なペアガラスよりも断熱性に優れたLow-E複層ガラス、さらに高性能のトリプルガラス、サッシ(枠)には熱の伝わりやすさがアルミの約1,400分の1である樹脂製のものがお勧めです。
高性能な窓にプラスして、南からの日差しがたっぷり室内に入るような窓のデザインや配置計画が冬の住み心地と省エネ性に大きく影響するのです。