電気料金の高騰と太陽光発電
2023年の冬、電気をつくるための燃料価格が世界的な高騰のために上昇し、電気代が驚くほど上がったという方も多いかと思います。多くのご家庭の電気代には『燃料費調整額』という料金が含まれており、原油・天然ガス・石炭といった化石燃料の価格に応じて変動しています。コロナ禍からの経済の回復基調によってエネルギー需要が高まった一方、世界中で干ばつや熱波などの気候変動が発生したため、再生可能エネルギーの供給量が低下しました。これを補うために化石燃料の需要が高まり、燃料価格が高騰した訳です。
またロシア・ウクライナの紛争も供給の縮小に拍車をかけました。日本は火力発電の割合が高い上、エネルギーのほとんどを海外に頼っていますので、こういった燃料価格の高騰が家計を直撃しやすい構造も相まって、残念ながら電気代の値上がりへとつながっています。
政府補助金の半減は実質的な値上がりへ
電気料金は一般的に夏より冬の方が高くなります。エアコンは室内の温度と屋外の温度の差が冬の方が大きくなるからです。
今年8月の使用分までは1kWhあたり7円の政府補助がありましたが、9月から12月は半分の3.5円に下がります。先述の燃料価格の変動に応じて電気料金を調整する『燃料費調整額』に組み込まれる仕組みによって、冬の電気料金のピークとなる年明けの1月、2月にこの補助金半減が響いてくるかもしれません。
太陽光発電で効率よく自家消費を行う
余剰電力買取制度(余った電気を買ってもらえる)が始まった2010年は48円の買取価格でしたが、徐々に下がった2013年でも38円と、買う電気よりも売る電気の方が高いという少し異常な状況でした。つまり、太陽光発電の普及は、投資・投機的な意味合いが当初にはありました。
実際に当時は、「太陽光パネルの設置で少しお小遣いができる」などという声を聞かれた方も多いかと思います。しかし、2023年現在の売電価格は、FIT(固定買取制度)の場合で16円(10kWh未満)ですから、小遣い稼ぎをするという目的で計画される方はもうみえません。
太陽光パネルのご相談をいただく方の多くは、「高くなっていく電気を買い続けるより、電気を自分で創ることで、高い電気を買わなくて済むようにしたい」という考えをお持ちであると強く感じます。
蓄電池とセットで夜間の電気も自家消費にシフト
更に昨今では、蓄電池の価格も抑えられ、導入しやすくなってきました。太陽光パネルが屋根に上がっていれば、太陽の陽が差していれば発電しますので昼間は電気代を節約することができます。しかし、日が暮れてしまうと電気を買って賄う必要がありますし、昼に余った電気は余剰電力として売電もできますが、先述の通り、買うよりも安い16円となってしまいます。
しかし、蓄電池を設置すれば、昼に余った電力を貯めておいて、夜はその電気を使って過ごすことができます。オフグリッドな生活にシフトしていくことを目指せますので、蓄電池が手に入りやすくなってきた今、導入を検討するお客様が増えてきたのは、合理的で理解できる流れだと言えます。
当社では様々なパターンのご提案ができますので、太陽光や蓄電池をご検討される際は、是非ご一報ください。