設計ワンポイントアドバイス ~敷地の有効活用~
『夢のマイホーム』のご相談をお受けする時、殆どのお客様が、始まりは「まず間取り」。玄関の位置、LDK(+和室)のつながり、家事動線。更には、車椅子への対応等々。雑誌やインターネットなどで相当研究されている方も珍しくありません。
でも意外と見落とされているのが、車~アプローチ~玄関のつながりです。車の乗り入れ方は敷地の接道状況によって決まるので、そんなに幾通りの方法がある訳ではありませんが、まずは敷地全体でより良い活用法を考えましょう。近年は3台以上の駐車スペースが必要な方も多くなりました。玄関近くに最優先で配置してしまうと、便利ではあっても門やポストの位置に困ってしまったり、ご希望の間取りにすると駐車場からのアプローチがお庭を横切ってしまうことになったり・・・。
時代と共に生活様式が変わってきています。
手軽にネットショピングを利用されることで宅配便が多くなりました。夫婦共働きで乳児保育を利用される方は、毎日の登園に大きな荷物とまだ歩けないお子様を連れての移動は大変です。オムツを始め、洗って使うタオルや雑巾より、拭いて捨てる紙製品の普及で、買い物帰りの荷物の多いこと。老後の生活への関心が高まり、在宅介護への対応も重要視されています。
たとえ1台でも玄関前に駐車でき、屋根伝いに乗り降りできることを優先し、そのために他の車は玄関と離れた位置に駐車することも選択肢の1つです。また門やポストと玄関との適度な距離感など、工事としては後回しになる「外構」ですが、まず始めにイメージすることで、家の一番ベストな配置やおおまかな間取り(エスキースと言ったりします)が見えてきます。
『木を見て森を見ず』とならないよう、最初に敷地の有効活用をしっかり検討されることをお勧めします。