設計のワンポイントアドバイス ~床材~
靴を脱いで生活する文化である日本において、床材は生活の中で重要な役割を担うアイテムです。床材と聞くと、足元だけに意識が向きがちですが、実は私たちの暮らしも支えています。
ひと言で「床材」と言っても、様々な種類と特性があるため、使用される建物・場所・用途により、向き不向きがあります。住宅では温もりある無垢材、ホテルでは静音性に優れたカーペット、店舗では耐水性のあるタイル、オフィスでは耐久性や防汚性の高いビニル床など、その場所に適したものが選ばれています。
住宅に用いる床材では、無垢フローリング・合板フロアが定番です。無垢材については、木目や色、硬さなど、お客様のご要望に合わせて選定しています。パインや桧など、針葉樹のフローリングは、傷には弱いですが、肌触りやクッション性も良く、足腰の負担軽減にも繋がります。
張り方についても、一方向に張るだけではなく、ヘリンボーンやパーケットと呼ばれる、斜めや市松状に張る方法もあります。同じ素材でも、張り方一つで違った魅力を引き出すことができます。
無垢材にすると傷が気になるという方には、高性能な合板フロアがお勧めです。耐衝撃性に優れており、子供がおもちゃを落としても、車いすでも、安心して過ごせます。
また、水まわりには、耐水性のあるビニル床やタイルをお選びいただくことで、水染みや汚れを気にすることなく、ストレスフリーに暮らせます。
この様に、床材を使用する場所の用途・目的・こだわり等に沿って検討を進めることで、暮らしにぴったりなものが見つかるのではないでしょうか。
ヘリンボーン