寒い冬も省エネ・快適に過ごせる住まい(NEDO事業)
体感モデルハウス「solana~ソラーナ~」は、太陽の熱を上手に使ってエコに住むことをコンセプトとして建てられました。このモデルハウスは、NEDO事業「太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発」の実証住宅として、太陽熱温水パネルや次世代全館空調 マッハシステムなどの設備設定を変えながら、温度・湿度を計測する実験を行なっています。
雪が降る寒い朝の実測データ (2015年3月11日 AM7時頃)
<実験モード>
■マッハシステム運転(エアコン設定温度20℃運転・エアコン3.6㎾ 1台)
■ダブルスキンによる太陽熱集熱空気循環(自動運転制御/30℃以上で運転)
■太陽熱(貯湯水)を使用したファンファンコンベクター利用(自動運転制御/貯湯水温度25℃以上で運転)
■第1種24時間換気 熱交換モード・弱運転
■外気: 温度1.2℃・湿度70.5%
■床下: 温度21.2℃・湿度48%
■リビング足元: 温度21.2℃・湿度48%
■リビング: 温度21.2℃・湿度48%
■キッチン: 温度21.5℃・湿度46%
■洗面脱衣室: 温度21.4℃・湿度47%
■トイレ: 温度21.0℃・湿度49%
■2階洋間: 温度20.8℃・湿度49%
■小屋裏: 温度21.6℃・湿度45%
床下から小屋裏まで、ほとんど温度にムラがありません。その差は、なんと0.4℃! エアコン1台だけで、床暖房がなくても足もとまで暖かく、吹き抜けがあっても1階が寒くないのが、計測結果からも分かります。
みどり線: 北側に位置する洗面脱衣室の温度変化。外気温の影響をほとんど受けず、1日を通して21℃程度とほぼ一定温度で推移しています。
あお線: 建物北側で計測している外気温の推移。-1℃~7℃で推移しています。(参考:下図は、気象庁ホームページで公開している3月11日の気象データです)
現在、主流である太陽光発電による電力の買い取り価格は高く設定されていますが、今後は価格が下がることが予想されています。また、蓄電などの電力を蓄える仕組の導入には追加コストが必要となります。
これに対して太陽熱温水では、給湯と暖房エネルギーとして50%~70%の高い効率でエネルギーを得ることができ、しかも設備コストも低く抑えることができます。時代の移り変わりとともに、太陽熱利用が必要不可欠になると予想されています。
住宅のエネルギー消費において、空調・給湯エネルギーはその約6割を占めています。このプロジェクトは太陽熱を利用することにより、空調・給湯エネルギー消費を半減させ、日本の省エネルギー政策に寄与することを目指しています。
広い面積の太陽熱温水パネルにより、給湯エネルギーの削減とファンコンベクターによる補助暖房を行います。しかも300リットルのタンクを2基使用することで給湯用熱量も確保しました。
次世代全館空調MaHAtシステム(特許取得済)は、低温度差による全館空調なので、25~30℃の低い温度の熱でも暖房に使用することができ、太陽熱エネルギーを無駄なく使うことができます。
また、インナーバルコニー(サンルーム)を利用した採熱システム(ダブルスキン)で空気を温め、家全体に循環させてオーバーヒートを避けています。なお、この部屋は洗濯物の乾燥室としても非常に高い評価を得ております。