レンガの歴史とその魅力
1.レンガの歴史
5千年前のメソポタミアの時代から今日に至るまで、レンガの歴史は長く、欧米からアジア各地まで世界中へと広まっています。
時代の変遷と近代化という目まぐるしく変わってきた環境の中で、飽きられることなく、これだけ歴史的に長く人類と共に生きてきた寿命の長い建材は多くありません。
泡沫のように現れては消えていく新建材とは異なり、時を越えて愛される魅力と耐久性を兼ね備えるレンガは、理想の建材といえるでしょう。
2.レンガ積み住宅の魅力
レンガ積み住宅の良さを知らない人に、その良さを言葉で知らせることは出来ないだろうと言われています。それだけレンガ積み住宅には、人を引き付ける魅力を持っているのです。
レンガは焼き物として、耐熱性・保温性・断熱性・圧縮・曲げ強度・耐水性・耐摩耗性・耐久性・低吸水性等に優れた特性を持っています。このような特性を持った建材が他にあったとしても、コスト面で比較をした場合、レンガに勝る建材は無いでしょう。
レンガには景観的美点があります。個々のレンガの持っている焼き物としての温かみがあります。レンガは、どの様な環境においても調和をつくり出す資質があり、環境を気持ちよくさせます。街全体が統一されたレンガ造りの街並みはもちろんのこと、レンガ積みの建物が無い地域に1棟建ったとしても、その環境によく似合います。
100年住宅と言う言葉を最近よく耳にします。しかし、一般的な外壁を使用すると、15年も経つと汚れが目立つようになったり、傷みが発生して、手直しが必要になります。ところが、レンガ積みの住宅は、50年以上経過しても汚れは見えません。70年以上経つと年期の入った表情になります。日本流に言いますと、「ワビ・サビ」のある表情となり、それがみしろ喜ばれます。100年も経ちますと、さすがに汚れが見えるようになります。100年経ってもそれが良しとして、特に清掃をされない方もみえます。基本的には、清掃・補修は不要なのです。
レンガ外壁は、地震に強い木造躯体に外壁化粧材として取付けます。その取付方法は強い地震にあっても剥れない工法を採用しています。これは、官公庁発注の公共建築物を建てる際にも使用されるコンクリートブロック組積構造の施工法(レンガ外壁施工を含む)を踏襲したものです。レンガにあいている穴を利用して、レンガ壁の中に鉄筋が縦横に走っている状態にし、これを特殊なウォールタイで木造躯体にしっかりと連結することで、地震が起きても外壁化粧レンガが躯体から剥れない構造となっています。しかも、レンガは基礎から積み上げますので、一般的に使用されている外壁材とは違い、木造躯体にレンガ自体の重量の負担をかけることはありません。