建築家と家具の関係

建築家が、建築だけでなく家具デザインにも深く関わることはよく知られています。
これは建築と家具が共に空間を構成する主たる要素であり、建築家がただ単に建物を設計する役割だけでなく、自身が家具を設計することで、自身の建築と調和した一体的な室内空間を実現したいという想いからだといわれています。
20世紀のモダニズム建築を代表する3大建築巨匠=ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエは、建築だけでなくインテリアや家具デザインにも大きな影響を与えています。
彼らは建築とインテリアを一体的に考え、空間全体のデザインを統一することで、より快適で美しい環境を創出することを目指しました。建築とインテリアが調和することで、彼の目指した「住むための機械」としての建築が完成すると主張しています。
■ル・コルビュジエとインテリア
ル・コルビュジエは、建築とインテリアを「機能主義」に基づいて設計し、シンプルで合理的なデザインを追求しました。モダン家具の傑作と言われる「LCシリーズ」をデザインしました。
代表的な家具:「LC2」
■フランク・ロイド・ライトとインテリア
わが国では旧帝国ホテルの設計者して知られるフランク・ロイド・ライトは、「有機的建築(オーガニック・アーキテクチャ)」を提唱し、建築と家具を一体化させたデザインを数多く手掛けました。彼の設計する建築には、木材を多用した専用の家具が組み込まれ、空間全体が統一された芸術作品のような仕上がりとなっています。
代表的な家具:「タリアセン・バレルチェア」
■ミース・ファン・デル・ローエとインテリア
私が大好きな建築家・ミース・ファン・デル・ローエは、「Less is more(より少ないことは、より豊かなこと)」という理念のもと、シンプルかつ洗練された建築とインテリアを生み出しました。彼の家具はクロームフレームと革張りを組み合わせたモダンでエレガントなデザインで、機能的でありながらも彫刻的な美しさを持ち、現在でも世界中で愛さ;ています。
代表的な家具:「バルセロナチェア」
さて、丸七ホーム株式会社ではさすがに家具のデザインはしておりませんが、志は3大建築巨匠と同じ=ただ建物を作るだけでなく、より快適で美しい暮らしの環境をも創出したい….という想いから、“一歩先行く全館空調=マッハシステム”を通じて、目には見えないけど身近にあって暮しに寄り添う家具のような大切な存在ともいえる、”次代のあるべき室内環境”をデザインしていきたいと考えています。
※次回は、「家具と音楽」をテーマにお話し出きればなぁと思います。
設計部 伊東 正人
2025.3/29
2025.3.29