「水廻り充実の大人の住まい」
昨日、現在建築中の「水廻り充実の大人の住まい」が上棟を迎えました!
「水廻り充実の大人の住まい」は、TIP構法をご採用いただいております。
TIP構法とは、木材の良さを最大限に活かした耐震工法で、ガセットプレート(直角二等辺三角形の構造用合板)と釘を用いて、筋かい端部を柱と横架材(梁や胴差など)の両方に接合し、外壁の下地板を斜め45度(一般には水平)に張ることによって耐震性を著しく向上させます。
私はTIP構法の物件を担当するのが初めてで、上棟の日をお客様と同様に楽しみにしておりました。
TIP構法に使用する材料は、内装の仕上材に使うような節の少ないものを用いており、非常に綺麗でした。
またその材料が外周の全面に張られますので、見た目の良さもさることながら、視覚的に強そうという安心感もありました。
耐震工法ですから、当然見た目だけでなくその強さも証明されております。
TIP構法の特徴は、地震の揺れに対する粘り強さにあります。
材料の粘り強さを靭性と呼びますが、これは脆性破壊(元に戻らない破壊)のしにくさを表す値のことです。
脆性破壊を起こすと、耐える力を失い、建物で言えば小さい力で倒れることに繋がります。
・粘り強いものは、力を加えるとしなり、力を加えるのをやめると元に戻る。
・固いものは、力を加えても変形しないが、大きい力を加えるとポキッと折れて真っ二つになる。
ということをイメージすると分かりやすいでしょうか。
建物を固くする考え方もありますが、非常に大きな力が加わると脆性破壊を起こす危険もあります。その場合は前述の通り建物が倒壊してしまいます。
これに対してTIP構法は、大きな力が加わっても、変形により力を吸収していきます。また、粘り強いということは、建物の倒壊を遅らせ、人命の安全を確保することに繋がります。
建物を固くすることも粘り強くすることも、どちらがいいという話ではないのですが、コンクリートのように固くはない木を使って建てる住宅ですから、その性質に見合った工法に行きつくことは自然な考え方だと思っています。
設計部 玉木
2021.11.16