全館空調なら快適なのか?答えは『違います』その1
先日、こんなご意見を頂きました。
「全館空調が嫌いなのでマッハシステムの採用は考えていない」
とても残念です。おそらく想像してみえる全館空調が、建物の性能はそこそこにしたまま
『空調のみ』に特化したシステムからくる間違ったイメージでとらえられている事に愕然としました。
書きたいことは沢山ありますが、要点を絞りたいと思います。
まず、なぜ全館空調が苦手だという方は、なぜ苦手と思われるのでしょうか?
主に以下の3点を仰る方が多いです。
・エアコンの空気による冷房、暖房が苦手
こういった方は高い確率で、ファンヒーターやストーブなどを使っている場合が多く
換気しなければ空気が汚れるという事に関しては、窓開け換気の方が空気が気持ちいいと言われます。
また、エアコン(全館空調)を稼働したまま寝ると、体調を崩す。
・全館空調のダクトのカビが心配
会社や施設などの全館空調の吹き出し口を見られ、そこに黒い点々(カビ)がついているのを見たりして
それを風でまき散らすなんてもってのほかだし、何より怖いと考えている。
・電気代が高い
一部屋でもエアコンをつけっぱなしにしたら相当の電気代になるので、それを全館で、しかも大きなエアコンを
動かしたままにするなんて、絶対電気代が高くなる。
わかります。
これは、ほぼ正解ですが、ほぼ間違っています。
何をいってるんだ?という方のためにわかりやすく説明します。
まず一般的な全館空調とマッハシステムの大きな違いを理解してください。
一般的な全館空調というのは、その多くがイメージ的には『全館空調でなく全室空調』であるという事。
その全館空調は、トイレや洗面脱衣室、収納、屋根裏や床下まで、本当に【全館】空調されていますか?
当社では【全館】とは、その名の通り、建物内部すべての事です。
それが全館空調でなく、主要な居室や通路だけを冷暖房しているのだとしたら
そもそもそれは「全館空調」でなく、「全室空調」でしかないでしょう。
家の中に不快な温度差をなくすことが最大のメリットであり、最低限の目的であるはずなのに
中途半端な空調をかければ、室内に不快な温度差が生まれます。
次に、一般的な全館空調と呼ばれるものは「大きなエアコン」を使って、冷暖された空気を送ります。
その大きな機械の多くには、空気の吹き出し口が1つか2つついています。
各部屋に配分するためには、そこにダクトを配管して、分岐して分岐して数を増やしていく事となります。
つまり、1つないし2つの出口から、10ヵ所とか20か所の出口を分けて作るわけです。
機械から近い部屋もあれば遠い部屋もあるし、大きな部屋も小さな部屋もあります。
川の流れを考えてみて下さい。
川幅も広く水流も豊かな大きな川です。
そこから支流に分かれ、その支流はさらに分かれて支流となって流れます。
元の川の水量や勢いと、支流のさらに支流の水量や勢いは同じでしょうか?
極端な説明ですが、これが一般的な全館空調の空気の量や勢いの仕組みです。
では、エアコンが苦手な方の多くが指摘する、吹き出される空気の温度はどうでしょうか?
全館空調と言えど、仕組みはエアコンです。
お家の壁に掛かっているエアコンと、基本的な原理は変わりません。
では、エアコンの「温度設定」の意味をみなさんは、本当に理解していますか?
勘違いしてみえる方はいませんか?
「エアコン温度を設定すると、その温度の風が出てくる」
実は、そう勘違いしてみえる方が意外と多くいらっしゃいます。
25℃に設定すれば25℃の風が出る。
↑これは大きな勘違いです。
エアコンの設定温度というのは、基本的には
【その温度に達したら停止する】
という設定なんです。
つまり25℃に設定すれば、25℃になったら停止しますよ。
なんです。
ちなみに停止するのは室内機でなく、外部に設置してある室外機が停止します。
つまり冷房時には設定温度の10℃~15℃低い温度
暖房時にはおよそ20℃高い温度の風を出しているんです。
空気を暖めたり冷やしたりするには、そのくらいの温度差が必要となります。
夏に25℃で冷房をかけていれば10℃前半の冷たい風が
冬に27℃で暖房をかけていれば40℃にもなる熱風が出ているわけです。
その風を、体温が36.5℃くらいの我々の身体にあたっていれば
しかもそのまま寝てしまえば
体調を崩すのもある意味当然と言えるでしょう。
さて、一般的な全館空調では、この「エアコン」の
大きくなったものが設置されていると考えてください。
そこから吹き出す風の量はどうでしょう?
風の強さは?温度は?
そしてもう一点、非常に重要な点があります。
全館空調が稼働している建物は、ちゃんとした高断熱高気密の住宅なのか?
という点です。
高性能なダウンジャケットを着れば高断熱です。
その上にレインコートを羽織って
襟袖周りや裾を目張りしてあげれば、高断熱高気密の出来上りです。
さあ、これで快適だ!
となるでしょうか?
身体を暖めれば、身体を冷やせば、冬は暖かく、夏は涼しいとなるでしょうか?
私は肌の方が心配になります。
肌の状態が悪くなれば、次は〇〇、さらには〇〇と
高性能な住宅を目指すには、なにか一点が特化していれば良いという訳でなく
逆にほとんどが優れているけれど、一点なら不足していても良いという訳でもなく
トータルでの高いレベルでのバランスが必要だという事が言えるかと思います。
長くなりましたので、この続きは次回。
引き続き、『全館空調なら快適なのか?答えは『違います』』
マッハシステムと一般的な全館空調の違いを
またの機会にマッハシステム側からのお話をさせて頂きます。
それではまた!
営業部 井戸
2022.12.11